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インブランディング事例3/ゴア・テックス

中小製造業の事業変革・ビジネスモデル変革・新製品開発を伴走・支援する『TECH-TOSHI』です。 

 

今回は、東京理科大学 MOTのゼミより、『インブランディング事例3/ゴア・テックス』について、ご紹介します。

 

1.ポイント

 ポイントは、

 

エンドユーザーに対し、ゴア・テックスが使われた衣類や靴に対する品質保証を約束した。

 

でした。

 

※詳細な内容は、最後の『5.内容』に記載しました。

  

2.気づき

 気づいたことは、

 

実際の「商品メーカー」の名前は、二次的な重要性しか感じていない』 

 

です。

 ゴア・テックスは素材であり、いろいろな商品に使われていることもあるのですが、以前スノーウェアを購入した際に、あの特有のマークを見て信頼感を覚えた記憶があります。

また、全ての関係者にとって利益があるというところも、単なる素材売りBtoBのビジネスモデルではあるものの、インブランディングの活用により、大きな効果を発揮した素晴らしい事例ではないでしょうか。

 

3.課題

そこから課題としては、

 

『どのような方法なら顧客に認知してもらえるのか

 

となります。

 

 

4.解決策

行動経済学において「インセンティブ(報酬でうながす)」により顧客の行動を促すというナッジ効果があります。 

この事例における、ゴアが顧客(エンドユーザー)に対して品質保証を行ったことは、ナッジの一種であり顧客の購入という行動を大いに促すことにつながったと思われます。

 

もちろん、購入するかしないかの選択は顧客にゆだねられているのですが、インブランディングの仕掛けを構築する際、このナッジも考慮した施策を導入することにより、顧客に好ましい行動をうながすための後押しができるようになります。

 

今回は、『インブランディング事例3/ゴア・テックス』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。

 

5.内容

『インブランディング事例3/ゴア・テックス』

ボブ・ゴアは、ポリテトラフルオロエチレン(PTEE)を延伸することにより、フルオロポリマーが、非常に硬質な微多孔質材料になることを発見した。

 

1969年、WLゴア&アソシエイツが発売した製品は、繊維産業に革命を起こした。

その製品は、アウトドア衣料に、全く新しい市場領域を創り出した。

それが、ゴア・テックス・メンブレン(皮膜)である。

 

今日この材料は、ゴア・テックスという名で世界中に販売され、多数の新製品が、この素材からつくられている。

 

 ゴアは当初、主に加工用製品である「機能性生地」の販売を行なっていたが、1989年に「guaranteed to keep you dry」を導入し、エンドユーザーに対し、ゴア・テックスが使われた衣類や靴に対する品質保証を約束した。 

 

ゴアの品質保証の導入は、川上と川下の生産との関係に変化をもたらした。

ゴアは、認定した生産施設で生産される素材のみにライセンスを許諾する。

 

そして、バリュー・チェーンを通じ、材料の品質、消費者への機能認知に注力している。

 

成功要因の一つは、

同社が付加価値チェーンのパートナー企業と協力することにより、消費者が小売店でその素材を見て最終製品に付されたゴア・テックスブランドを特定でき、消費者側の直接のプル効果を創り出せたことである。

そして、このプル効果は、ライバル企業との戦略的な差別化を実現し、同ブランドを市場におけるプレミアムなポジションへと導いた。

 

それにより、全ての関係者(繊維問屋、小売業者、消費者)が、このインブランディング戦略による利益を享受している。

 

現在、消費者は明確に、ゴア・テックスの衣類やシューズを探していて、実際の「商品メーカー」の名前は、二次的な重要性しか感じていない。

 

出所)フィリップ・コトラー 他(2014).『コトラーのイノベーション・ブランド戦略 - ものづくり企業のための要素技術の見える化』.株式会社 白桃書房