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標準化/インテルの事例

中小製造業の事業変革・ビジネスモデル変革・新製品開発を伴走・支援する『TECH-TOSHI』です。 

 

今回は、東京理科大学 MOTの講義より、『標準化/インテルの事例』について、ご紹介します。 

  

1.ポイント

  ポイントは、

 

『市場を拡大するために標準化を活用する

 

でした。

 

※詳細な内容は、最後の5.内容に記載しました。

  

2.気づき

 気づいたことは、

 

『自社が全てを独占しては市場は拡大しない』 

 

です。

 

3.課題

 今回の事例は、標準化の種類としては『デファクト標準』と呼ばれるものです。

 

 デファクト標準とは?

 特定製品が市場を獲得したために、その製品技術が標準と同様の経済効果をもつようになったもの。

 その技術が市場を席巻したことで自然発生的にネットワーク外部性とロックイン効果を生じさせる。

 参考:https://tn-ylbg.jimdofree.com/product-development156/

 

 

ここでの課題は、

 

『中小製造業が自社1社のみで市場を拡大することができるのか

 

です。

 

これは、中小製造業においては非常に難しいと思われます。

 

市場が魅力的であればあるほど、大企業に参入され、取得していた知財網をすり抜ける知財を取得・新たな知財網を構築され、市場はレッドオーシャンとなり、自社のシェアが低下、売り上げ・利益が減っていくパターンとなりがちなためです。

 

インテルは、先のブログでも述べましたが、オープン&クローズ戦略から、台湾メーカーを活用しパソコンの値段を下げる施策を講じ、パソコン市場を拡大させ、その中で自社のCPUで大きなシェアを獲得しました。

参考:https://tn-ylbg.jimdofree.com/product-development149/

 

しかし、チップを搭載するPKG基板、マザーボードは他国の企業に製造を任せることにより価格を下げ、それによってパソコンの市場が拡大することにより、自社のCPUの出荷数量も伸び、シェアを拡大しました。

 

4.解決策

中小製造業は、知財構築と併せて、デジュール標準、フォーラム標準、学会標準などにより、自社1社だけでなく、何社かと共同で標準規格を作成していくべきです。

 

先のI社での事例においても、国際標準化を活用による市場の拡大において、下記の施策を実施したそうです。

 ①学会の活用(コンセプト、考え方をわかってもらうため、論文発表して世に問うた。)

 ②標準化(国際標準化活動をして、国際標準化を行なった。)

 ③仲間づくり(世界中のメーカーに足を運んで重要性をアピールした。)

 ④仲間と改定(規格の改定も行いさらに拍車をかけた。)

 

参考:https://tn-ylbg.jimdofree.com/product-development158/

 

今回は、『標準化/インテルの事例』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。

 

5.内容

『標準化/インテルの事例』

 

◆背景

 今デジタル化が次の時代のモジュラー化を進展させている。

 デジタル信号の処理は、アナログ信号に比べると格段に容易だ。

 インターフェースがデジタルあれば、その接続信号のプロトコルさえ標準化されていれば、

 必ず部品同士がつながり、信号処理が行われる。

 このような環境では、その製品づくりも格段に容易になる。

 

 インテルは、新CPUとしてIntel80386を発売し、すべてインテルが生産販売した。

 PC/AT互換機のアーキテクチャーのなかに、CPUとマザーボードと呼ばれる電子回路基板がある。

 マザーボードにはCPUを装着できるような受け口、ソケットと呼ばれるものが配置されており、

 CPUのピンの配置に対応するようにソケットも配置されている。

 インテルのCPUを標的としたピン互換CPUを製造する企業が増え、インテルは価格競争に巻き込まれて始めていた。

 

◆インテルの戦略

 そこでインテルは1997年に、ピン配置に関する特許技術を用いたCPU(Pentium II)を発売した。

 技術的に着目するような特許ではなかったが、インテルは、ピン配置の特許を他社にライセンスすることはせず、

 以降、インテルが発売したCPUに対し、ピン互換CPUをつくることはできなくなった。

 

 1997年頃、インテルはPC/AT用のマザーボードも販売していた。そして新型や改良型のCPUを発売すると同時に、

 これに対応したマザーボードも製造し、パソコンメーカーに供給した。

 

 現在、インテルはマザーボードをつくっていない。

 当時、インテルがマザーボードの製造・販売を続けていたのは、台湾企業にマザーボードの技術を見せるためであったと考えられている。

 そして、マザーボードに価格競争が起こり、パソコンの値段が下がった方がパソコンの販売数量は多くなるため、インテルは販売価格を下げることなくCPUの販売数量を伸ばすことができる。

 さらに、インテルは、信号バスも標準化して、周辺機器に用いる電子回路板においても価格競争が起きるようにした。

 

◆まとめ

 パソコンという製品のなかで、自らの利益領域であるCPUには他社が参入できないように特許でピン配置を守ることによって独占し、他のモジュール、例えばマザーボードや周辺チップ、拡張ボードやメモリなどには、他社が参入しやすくなるように、コピーしやすい製品と市場に投入し、参入者を増やして価格競争を起こさせた、ということだろう。

 

 こうしてインテルは、モジュラー化が進んだ製品のなかで、自らのモジュールでの利益を維持したのである。

 

出所)江藤 学(2021).『標準化ビジネス大全』.日本経済新聞出版本部