· 

競争ポジションの類型

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。 

 

今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『競争ポジションの類型』について、ご紹介します。 

 

1.ポイント

内容は、『業界における企業のポジションとして、大きく4つのポジションの類型があるでした。

 

企業の戦略上のポジションは、一般に、「リーダー」、「チャレンジャー」、「フォロワー」、「ニッチャー」に分類される。

 

⚫︎リーダー

 業界内で最大シェアの企業。

 リーダー以外の企業は、①リーダーに対する競争姿勢、②提供する製品・サービスやターゲットとする顧客層のユニークさという

 2つの尺度で三つの類型に分けられる。

 

⚫︎チャレンジャー

 リーダーの座を手中にしようと、シェアトップのリーダー企業に挑戦する姿勢を示している企業。

 

⚫︎ニッチャー

 リーダーに対する挑戦姿勢は示さないが、提供している製品・サービスや、ターゲットとしている顧客セグメントがユニークな企業。

 

⚫︎フォロワー

 挑戦姿勢もユニークさもない企業

 

チャレンジャーやニッチャーなどについては、企業自身による競争ポジションの表面が現実的でないことがままある。

 

つまり、「自称チャレンジャー」や「自称ニッチャー」が存在するため、企業による自己認識や意気込みだけで、競争ポジションの判別をすべきではない。

 

また、すべての企業がここでの4類型に完全に当てはまるわけではなく、とりわけリーダー以外の3類型との対応関係は固定的ではない。

 

しかし、概念上の4類型には、それぞれにふさわしい定石的な競争行動を考えることができる。

 

出所)網倉、新宅、『経営戦略入門』、P228-230

 

 

2.講義からの気づき

講義から気づいたことは、

 

『リーダーと、まともに競争しないようにしながら、利益を出すにはどうしたらよいか』 です。

 

業界最大手のリーダーと正面からぶつかったら、勝てるわけがありません。

 

いかに、リーダーと戦わないように、自社のポジションを構築するか となります。

 

 

3.現状

 しかしながら、先のブログでも述べましたように、競争がまったくないということは現実にはありえませんので、

自社の属する業界のリーダー企業とは出来る限り、戦わない、競争しないということが、現実的な方針となります。

 

そのためには、業界リーダーとは異なるビジネスモデルを構築することが必要です。

 

4.解決策

 よって、業界リーダー企業が、どのような対抗策を取ってくるのか、その対抗策が取れないような施策を自社が取れば良いこととなります。

 

島口(1986)によれば、リーダ企業の戦略定石は、

①周辺需要拡大、②同質化政策、③非価格対応、④最適シェア維持 とのことです。

 

その中で、経営資源が少ない下位企業からの攻撃に対して、リーダー企業が一番対抗しやすいのが同質化政策だそうで、

『競争優位を持っている企業にとっての最善の戦略は模倣、すなわち競合と同じ行動を取ること』(グリーンウォルド&カーン 2005)

とのことです。

 

また、『米国企業に比べて日本企業は、同質的行動をとる傾向が強い』(淺羽 2002) 

そうです。 

 

ここで、競争しないために山田は、3つの戦略を提唱しています。

①棲み分け(ニッチ戦略と不協和戦略)、②共生(協調戦略)

 

山田、『競争しない競争戦略 改訂版』、日本経済新聞出版

 

5.今後の課題

まずは業界のリーダーがとる定石の戦略を理解することが必要です。

 

その上で、自社は棲み分けで行くのか、共生で行くのか 選択することとなります。

 

今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『競争ポジションの類型』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。